第三回国連防災世界会議をテーマに定例会合を開催

2014年11月18日、民間防災および被災地支援ネットワーク(CVN)の第十三回目となる会合を開催しました。
テーマは来年2015年3月に仙台で開催される「第三回国連防災世界会議」。
CVNでは3月16日午後13時から16時東京エレクトロンホールでフォーラムを実施するとともに、展示も行う予定です。
企業、NPOなど様々な方のご協力により作成した「災害支援の手引き」の事例など、マルチステークホルダーによる来るべき災害に向けた参画と実行の具体的な例を世界の方々に示したいと思っています。
実施にむけて企業や団体の皆さんの協賛や人的協力を呼び掛けていく予定です。

第3回国連防災世界会議

第13回定例会合  2015防災世界会議CSOネットワーク(JCC2015)事務局 合田茂広
2015防災世界会議CSOネットワーク(JCC2015)事務局 合田茂広

そこで今回は、日本で過去2回開催されている国連の会議でありながら、あまり知られていない「国連防災世界会議」について「2015防災世界会議CSOネットワーク(JCC2015)」事務局の合田茂広さんから以下のお話しをいただきました。

第三回国連防災世界会議は今後の世界の防災指針、行動枠組みとなる「ポスト兵庫行動枠組(HFA2)」をつくる会議です。災害大国であり防災先進国である日本の経験から生まれた仕組み取り組みなどを世界の人々が知りたがっており、過去2回とも開催国は日本となっています。

国連防災会議には本体会議と関連事業があります。「本体会議」の主催は国連で、その会議には世界中から5,000~8,000名の参加が予定されています。「関連事業」は開催都市である仙台市が主催、取りまとめをしており、こちらは一般の人も参加出来るものとなっています。

JCC2015は日本のCSO96団体が集まるネットワーク。HFA2 策定に向けては、市民の立場から現場の声をHFA2に入れるよう提言を行ってきました。そして国連防災世界会議では提言とともに、国連・行政・市民をつなげる役割を担い、マルチステークホルダーが参加する国連防災世界会議を目指し活動しています。具体的には沿岸部の方の手仕事品を一緒に作る交流のプログラムなど、東北の人と世界会議への各国からの参加者が交流できる場づくりをする予定です。できるだけ多くの企業・NPOの方々に国連防災世界会議に参加いただければと思います。

続いてCVN事務局を務めているピースボート災害ボランティアセンター代表理事の山本隆さんから「ポスト兵庫行動枠組(HFA2)におけるプライベートセクターの役割」についてお話いただきました。

ピースボートは「第3回国連防災世界会議」の公式パートナー(Organizing partners)NGO)でもあります。

HFA2が策定される2015年は防災のみだけでなくSDGs(持続可能な開発目標)、気候変動枠組条約第21回締約国会議(COP21)、ミレニアム開発目標(MDGs)の達成期限など、貧困、気候変動、防災の指針が更新される重要な年です。
HFA2を策定するにあたり、国連ではHFAで達成できていないこととして以下の項目をあげました。

第13回定例会合  HFAで達成できないこと

HFA2ではこれらを解決していく主体として企業、NGOが重視されています。
HFA2のドラフトであげられている今後取り組むべき優先項目には「災害や防災の情報の分析」、「災害後の復興に向けてガバナンス、投資、テクノロジー、インフラなどに防災の考え方を入れていくことで次の災害に備える」などがあり、そこには企業の役割が重要であるということが明記されています。
一方で、その具体的な行動についてはまだ明示されておらず、「HFA2をどうやって実行していくのか」「協働していけるのか」が重要となってきます。

世界および日本では災害が起きた後の協働事例は数多くありますが、来るべき災害に向けてマルチステークホルダーでの協働や仕組みづくりを事前に実行している例は殆ど無く、海外の災害業界においてCVNの事例を話すととても良い反応があるとのことでした。

第13回定例会合  株式会社サノフィ 渉外本部CSR推進部部長 本山聡平氏
株式会社サノフィ 渉外本部CSR推進部
部長 本山聡平氏

そして最後にCVN事務局である株式会社サノフィの本山さんより「CVNの国連防災世界会議参加プログラム案についてと企業やNPOの具体的な関わり方についての提案」がなされました。

会合には別団体として国連防災世界会議にてフォーラムを実施する予定の企業の方もいらっしゃり「相互協力ができると良い」との前向きなお話しもありました。 
また、「社内で防災減災分野に関わるBCP担当者とファシリティ担当者、CSR担当者などが三者三様に動いていることに課題を感じているため、これをきっかけに社内での連携を促していきたい」との意見も上がりました。

CVNでは企業、NPOなど様々な方のご協力により作成した「災害支援の手引き」の事例など、マルチステークホルダーによる来るべき災害に向けた参画と実行の具体的な例を世界の方々に示したいと思っています。
その実施にむけて是非皆様のご参画をお待ちしています。

お問い合せはこちらまで。
info@cvnet.jp